「競売費用」名目で不動産業者に多額送金 CFJが競売入札妨害の落札工作か?

2007年、CFJの経費処理をめぐり不可解な実態が発覚した。特定の不動産業者に「経費」名目で1件あたり数百万円単位の金が送金されていたのだ。2002年1月から2003年6月にかけて「競売費用の一部負担金」として計3億2,000万円もの資金が不動産会社や個人に入金されている事実が同社の内部資料に記載されている。

事情を知る社員は次のように証言する。「不動産担保ローンの担保にとった不動産を競売にかける際、費用を掛けてでも手っ取りばやく処分するためのものです。要するに回収率を上げるためですよ。”費用分担”と呼ばれていて、運用のマニュアルもありました」

そのマニュアルによれば「費用分担」の対象となるのは、担保物権を競売にかけたもの裁判所の設定した最低入札価格が高く、一度で競売が成立しないケースだという。つまりこういうことだ。

融資が焦げつけば不動産を競売にかける。しかし、裁判所の設定した最低入札価格が市場価格より高く、なかなか落札者が現れない場合がある。不動産価格が低い地方の農村などではこうしたことはめずらしくない。1回目の入札で落札者がいないと通常は最低価格を下げながら競売を繰り返す。それでも落札できなければ競売は不成立となる。

親族が最低価格分の金を出して担保の自宅取り戻す、といったことも可能となる。ところがCFJはこうしたケースでも競売が一度で成立するよう予め不動産業者と交渉し、最低入札価格と不動産業者の購入希望価格との差額を「費用」として埋め合わせたというのだ。結果、常識的には落札者がいない場合でも一度で落札は成立した。

埋め合わせるために不動産業者に出した「費用」は数百万円単位だったという。手っ取り早く不良債権を処理して未収率を上げたいために考案されたこの方法は「競売入札妨害の疑いがある」と社内で問題になり、2003年6月を最後に中止された模様だ。このほか、競売の際に裁判所に収めた予納金の返還分を顧客の入金に充当し、残債務を少なくみせる「処理」も行われたという。

社員は言う。「CFJの財務状況は相当悪く、数字を上げるのに必死だったんです」CFJは2007年に入って全国320ヵ所ある支店のほとんどを一斉に閉鎖して社員を自宅待機させ、暗に「自主退社」を促した。強引で違法性の高い首切りだが、従業員側か財務内容の開示を求めても、シティグループは「機密事項」と一蹴したという。粉飾決算が横行していた疑いすら拭い切れない。

— posted by osyant at 05:36 pm